[]【驚愕】いまどきの献血はリクライニングで音楽を聴きながら

ふと思いついて献血をしてきました。



駅ビルの献血ステーション。





なんと、リクライニングシート!



とっても楽な姿勢で献血ができます。



おまけに目の前に専用の小型テレビがついていて、

番組をみて笑っているうちに終わる、という仕組みです。



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耳もとの、枕(まくら)のところからステレオで聞こえてきて、すこぶる快適!





ところが、400CCを取り終わるころ、看護婦さんがひょいと

足元からビニール袋をもちあげたのです。



同時に、真っ赤な液のたっぷり入った袋が目に映りました。



たっぷりの、血液。



あれ、本当はみんな、わたしの血液だったんだ・・・。



(ゲゲ・・・、ウチの血が、あんなにも・・・)



と思った瞬間。



急に頭の芯がスーと涼しくなってきて、めまいに襲われました。



あーーー・・・



声にならない声がのどからしぼりだされ、

顔色が、ゲソッと変わってくるのが自分でも分かりました。



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看護婦さん・・・。



「だいじょうぶですかッ!!」



隣のおばちゃんから、悲鳴に近い声があがる。



美人の看護婦さんが、驚いて駆け寄ってきた。





所内がざわついて、3人の看護婦が私を取り囲みました。



それまでわりと事務的な雰囲気だった献血ステーションの空気が、急変。





ひとりが血圧をはかり、もうひとりが脈をはかる。

そして、先ほどの美人看護婦が、なにを思ったのか、

私が座ってたシートをガクーーンと、さらに深く倒しました。





そのときの心境は、



「・・・ウチは、もう・・・、あかん・・・(死ぬ)」





そのまま水平になって寝ていると、美人看護婦さんが



アクエリアスを飲めますかッ?」



ひどくあせったような声できいてきたので、

こっちも焦ってしまい、

途切れ途切れに、



「・・・あ・・・は、・・はい」



というと、すぐに奥の部屋からブルーのやつをもってきました。



しかし、冷蔵庫かなにかに入っていたのが、

急にあったかい空気にふれたからでしょうか。



そのアクエリアス(袋状)のキャップがあかない、開かない・・・。





力が入らないのです。手から握力が、消えてる。



手が動かん・・・。(*_*;





すると、それを見て、すでに悲痛な顔もちになっている美人看護婦が

私の手からアクエリアス(ふくろ状)を奪うようにしてとりました。



そして、キャップを開け、わたしの手に握らせてくれました。



そのときにかすかにふれた彼女の手の肌のきめのこまかいこと。

(どうでもいいが。)





目の前が暗くなっていたが、それを飲んでたら

そのうちしだいに落ち着いてきた。



眉間にしわを寄せて、沈痛な面持ちの美人看護婦が目の前でしきりとしゃべってる。



帰り道で、気分が悪くなったら

すぐに横になるか、もしくは、しゃがんでください、
とのこと。





え?ということは、そういう可能性があるってこと?



「いいですか、電車のホームのぎりぎりのところは絶対に!歩かないでください」



ホームから落ちるかも、ということか?



これをきいて、まためまいがしてきた。



もう帰れるかと思っていたが、そこから開放されるのに、

まだ時間がかかった。



それからさらに医者に厳重な注意をうけ、受付の人にも、すっげえ真剣な顔で、



「気分が悪くなったら!!すぐに!!すぐに、しゃがんでくださいよッ!!」



といわれて、



さっきも同じこと聞いたよ!と思いながら・・・



最後には受付が、ごていねいに



「気分の悪くなられた方へ」という印刷した分厚いカラーのパンフレットを手渡しながら、

(そんなものまで用意しとる!)



「無事にご自宅に帰られるかどうか確認が必要なので。

いいですか、必ず、かならずですよ。折り返しの電話をしてくださいねッ!」




だと。



(帰ってから、電話しといたよ・・もう二度と献血はしまい)