『卒業式まで』手作りカウントダウンが始まった!

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『卒業式まで、あと30日!』


教室に、カウントダウンカレンダーが貼られるようになる。

子どもたちが手作りしたカレンダー。

毎朝、日直当番がめくって、



「ええー、みんなで給食食べるのも、あと30日!・・・えっと、これを書いたのは〇〇くんですネ」




みんなで描いたカレンダーやイラストを、日めくりして、卒業式までをカウントダウンし、ワイワイやっている。





この頃になると、なんだか本当に、言いようのない確信と、言いようのない滑稽さ、複雑な感情がぶわーっと湧き出てくる。



『叱らない先生』をやりはじめて、これで丸6年が経った。



卒業文集には、思い出の修学旅行、運動会、キャンプの思い出などのほか、「新間先生のこと」なんて記事も書いてある。

気恥ずかしくなるような褒め言葉が書かれていて、ちょっと躊躇する気持ちが出る。書き直しを、それとなくすすめてみるか・・・。いや、でもまあ、子どもが書こうとして自分で書いたものなんだし・・・。



「わたしは、6年になって、新しい先生になり、すごく学校が好きになりました」

「授業が面白くなり、よく聞こうと頑張っていると、算数ができるようになってきました」

「とくに6年生のクラスは、ぼくには最高のクラスとなりました」




「6年生になり、一度も休まずに学校に来ました」



これは、5年生のときまで、20日間以上休んでいた子。

なにかあると、すぐに休む、と言われていた子。

結局、一度も休まずに学校に来た。



A子とB子は、5年生まで犬猿の仲。

バスの座席をめぐっての長期にわたる大げんかが、保護者同士のけんかにまで飛び火しそうになった。

結局、6年生になってなにもない。



「ぴたっとやんだな」

昨年のことを知る教頭先生が、愉快そうにおっしゃる。



圧力をかけるのをやめれば、どんどん教室が良くなる。

こんな記事を、毎年書きつづけて、結局、6年経つ。



はじめの3年間まで、自分でも半信半疑だった。

叱らないでいいわけがない。

どこかに、自分でもそう思おうとする感じがあった。



でも、もう、6年間たつ。

圧力無し、という教育メソッドが、そろそろ研究テーマにあがってきてもいいんじゃないか?と思う。





たぶん、誤解があるんだろうネ。

「叱らない、イコール、子どもに迎合する大人」

となっているんだろう。



そうではない。

わたしは一切、流行している芸能ネタなどしゃべらないし、子どもどうしの会話にノリノリで首をつっこむことをしない。(そもそも、できないし・・・)。

子どもから話しかけられない限り、長い休み時間は職員室にいることが多い。



「叱らない、イコール、迎合」



としか見えてこないなら、なにか、視点が失われているのでしょう。



「叱らない」は、もっと基本で、ベーシックで、プレーンで、なにもない、ってことだと思います。



写真は、森で出会った小さな妖精。

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