[]広告の授業 その2

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広告に使われる情報編集技術はすこぶる洗練されていて、これを勉強するのはとても役に立つ。



人間社会において、自分以外の人や多数の人に、なにかを訴えるとき、自分が意図するような感想をもってもらうために、「編集」という行為をする。



この「編集」がうまいと、伝わるものがきちんと、伝わるようになる。

編集が上手だと、「わかりやすい〜!」と思ってもらえる。

伝え手、情報の送り主が、きちんと伝えたいものを伝えられるようになる。

「編集」は、現代社会において必須の技術、スキルであるといえましょう。



人に、余計な気を遣わせないというか、落ち着いた印象を届けよう、というのは、世間的にふつうの行動だと思う。

化粧もそうかもしれないし、言葉をていねいに言うことや態度、お辞儀、あいさつなど、いろんな行為の中に、それらを意図する行動をとることができるように思う。





しかし、ここまではいいとして、ここから先。

行き過ぎると、良くないなと思うことがある。

人を操作しよう、と思い過ぎると、はたしてどうか。

なにごとも、やりすぎは良くない。





「広告」に凝縮されている「心理操作」の技術には、それ以上のなにかが潜んでいるようだ。

「人を操作したい、操作せずにはいられない」という心理が。



たとえば、先日のロイヤルチマキパンの広告では、驚愕のスキルが使われています。



それを列挙すると、

〇ウインザー効果

 経験談の方が一次データより与える影響が大きい

〇権威への服従心理

 権威のある者への言動に無意識に従いやすい傾向

バンドワゴン効果

 流行している、というものについては無意識に好印象を持つ

〇同調現象

 周囲の人と同じ行動をとっている、というだけで安心効果がある

シャルパンティエ効果

 「ビタミンC2000mg配合」より、『ビタミンCがレモン100個分』 の方が多いと思う傾向

フレーミング効果

 「タウリン1g配合」より『タウリン1000mg配合』の方が多いと感じる傾向
という5つの効果を使っている。



ひとがひとを「操作」などしなてくもよいような社会になれば、いちばんみんな安心できる、ということだろう。操作せずにはいられない、となれば、そこには病的なものがありそうだ。



「病的」から抜け出せるような社会を、子どもたちと共に考えていきたい。

「せずにはいられない」という枠から、脱却できる自由さを、人は本来欲していると思う。



「広告の勉強」のまとめは、もしかすると、



「こんな広告を出さなくてもよいような社会に住みたいね」



ということになるのかもしれない。



チマキパン2m