[]ふと、やってみたくなるもの

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老人が消えた、というミステリー騒ぎがあった。(前回参照)

子どもというのは、毎日何かしらの新鮮な話題に興味を持つ。

だから、同じ話題が何日も続くということが少ない。



このミステリー話も、その時だけの盛り上がりで、それ以外はさしたることもない。すぐに消えていった。



その後、私が何回か、このことについて聞きただしていたためか、Fくんが自らの考察を教えてくれた。

それは、何日後かにFくんがまた見かけたのだが、その日、オジサンは電信柱のところにもたれかかるようにして立っていたそうだ。ところが驚くことに、その姿はまったく灰色の電信柱に溶け込むようだったので、周囲から気づかれないほどだったらしい。



「たぶん、電柱でオジサンの姿が見えなくなってたと思う」





矢追純一が作り出した、UFOに連れ去られる人間のような、ワクワクドキドキするミステリーがひそんでいるかと思ったら、そんな結末で、なんとも残念だった。









ところで、人間、ワクワクドキドキだけがもっとも大事かと言うと、そうでもない。

ワクワクドキドキが生まれてくるためのベースとなる部分で、世間のモノサシや人間本来でないモノに毒されている場合もある。

人を騙すことにドキドキ感が湧くようになっても、仕方ない。

自分自身の、今の心の状態を、どんなものかといつもいつも、注意を払いながら、居たいものだ。







死ぬときに、一番後悔するのは、



なぜ、自分自身で居なかったのか



だそうだから。



ワクワクドキドキもいいし、

それが無くてもいい。



ふと、やってみよう、という、静かな感じも、いいかもネ。



福寿草4G


写真は、福と長寿を約束する、『福寿草』。