[]めざまし時計の話だけで45分

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日本列島、なんだか休みの日が続いております。

秋は、祝日が多いんだよネ。



そこへもってきて、土曜が保護者参観日だとか、運動会とか。

振替休日なんかが入るから、なんだかスケジュールがへんてこ。

子どもたちの表情も、なんだか冴えないわけで・・・。





心配になって、朝一番に、



「しっかり寝ていますか?何時に寝ている?」



って聞いたところ、みんなけっこう、遅くまで起きてることが分かった。



ついでに、



「親に起こされているか、自分で起きているか」



を話題にしたら、なんだかみんな、自分の家の様子を話したくなってきて、



「お姉ちゃんがまず私を起こしに来て、それが最初。2番目が弟で、3番目は犬」



だとか、



「お母さんがカーテンを開けるから、それで起きないと殺される・・・」



とか、盛り上がり始めました。





話の上手なMさんが、



「うちの家は、隣の犬が散歩するところからスタートします」




と、なんだか物語風な感じ。



「その犬が吠える声でまずお父さんが起きます。その後、お父さんがお母さんを起こして、お母さんがお兄ちゃんを起こして、お兄ちゃんが私を起こします。」



なんだか、ロシア民話の「大きなかぶ」みたい。



「お兄ちゃんが私を起こす時は、枕をすごい勢いで引っ張るから、頭がゴンっってなるから起きるけど、お姉ちゃんが起こす時は、口で何べんも、おきろ、おきろ、って言うからうるさくって、まだ起きない時は最後にが来ます」



なにかのお話をを読んでいるような語り口で、事細かに説明してくれる。



みんな気になったので、



「おに?」




聞き返しますと、



「お母さん。お母さんは、上に乗ってきて、手でこうやって、ほっぺたを挟んだまま大声で起こすから、死にそうになります」





みんなで恐怖におののく朝の様子を語り始める。







雰囲気としては、昔やっていた、明石家さんまさんの、「あっぱれ、さんま大先生」という番組のようで、なんだかいやに盛り上がってきたので、



「ちょっと待った」



小学校5年生、こんな調子で起こされているのか??

ちょっと気になる。



「この中には自分の力で起きている人もいるでしょうから、おうちの人に起こされているよ、という人は、逆に、自力で起きる方法を、聞いた方がいいよね?」




私は、自力で起きるための方法、できる子たちの取り組み、を聞こうと思った。





やっぱ、めざましでしょう?



ネタを振ると、待ってましたとばかりにみんな、

一斉に話し出す。





「うちの目覚まし、すげえでかい音で鳴るよ。でっかいベルが2つもついてる。お父さんが、若い頃、時計屋でいちばんデカイのを選んで買ったらしい」



「へえー!すっげぇー!」



目覚ましだけでも、お互いに興奮して話すだけのネタがあるようで・・・。



「わたしのは、ちゃんと、私の名前を呼んでくれるよ!」



「え?どういうこと?Yちゃん、起きて!とかって、勝手にしゃべるの?」



「そう!」




どうやら、自分の名前を設定できるものがあるらしく、同じ機種をもった子が、実に3人もいた。



あるいは、



「ぼくは違うけど、お兄ちゃんのやつは、転がる〜」



「ころがる?なんだ、それ?」



説明を聞くと、それは球形の目覚まし時計で、センサーが働くのだそうだ。

人間がアラームを止めようとして手を伸ばすと、自動的に感知して勝手に転がるらしい。



「転がっちゃったら、アラーム停められないよね」



「そう。だから、人間がふとんから、自動的に出てくる」




なーるほど。まさに機械の思う壺ってワケだ・・・。







かと、思うと・・・



自分では絶対に起きれない、と断言をするMくん。



「おれ、ぜったいに起きられないよ。今まで、時計で起きたためしがない」



なんとなく、みんないつものクラス会議のノリになって、



「枕元だと、いつの間にかアラームを消しちゃってるから、部屋の入り口に置くといいよ。」



勉強が苦手で、どちらかというと頼りない雰囲気のSちゃんまでもが、熱弁をふるう。



「入り口の、それも地面に置くんだよ。そうすると、そこまで歩いてって停めたら、目の前に扉があるから、まあ布団に戻るよりも、このまま部屋を出て、下降りてこっかなーって、思いやすいから」



なるほど。その子なりの工夫らしきものが、随所にあるもんだ。



「いや、俺さ、あの目覚ましの音が鳴ると、すっごくいやな気分になるから、あれで起きたくないんだよね〜」



Mくんは、なにかとても嫌そうな声で、訴える。



「じゃ、カーテンのないところで、朝明るくなるところで寝ればいいよ」



「いや、寝る部屋が北側の部屋だから、明るくならないんだよね」



「へえ」




なにか、いい考え、ないかナ・・・。



「うーん」











結局、早く起きるためには、早く寝ろ、という話で終わりました。



(気が付くと、1時間目、終了しておりました。)





朝は気持ちよく