Tくんの石拾い

Tくんが校庭で石を拾う話。







はあ。(ため息)



好かんなあ。



・・・と思ってしまいます。



「全校で、石を拾いましょう!」だって。



職員会議で、校庭の石が問題になった。



秋の運動会に向けて、今から石を拾うんだって。



「夏の酷暑、猛暑、それを避けまして、すずしい今の時期に、石を拾うことにしましょう」





わたしは石を拾うのは厭わないんだけど、すぐに脳裏に浮かんだのが、Tくん。



彼が、この計画に「きちんと」関われるかどうか・・・。







「Tくん、石を投げないで、ちゃんとやれますかね」



となりの先生に思わずつぶやくと、



「・・・(笑)」




苦笑い。





そりゃ、保証できんぞな、ということ。



つまり、「投げるんじゃないの」



ということであります。



わたしは、それがSちゃんや、R太くんの頭に当たりやしないかと思うと、気が気でない。





Sちゃんのお母さんと、R太くんのお母さんの顔が思い浮かんで、思わず、アッと叫んで、顔を伏せてしまいたくなる。









Tくん、ああ、Tくん・・・。







さ、どうなったでしょうか。ハッピーエンドですから、安心してお読みください。