[]大人の宿題、やってます。

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たまたま地元のスーパーに出かけたところ、ふだんならあまり見かけないはずの、クラスの子がいて、話しかけてきた。



「あ、先生!」



元気そうな顔で何より。

日焼けもしている。



「プール、ぜんぶ行ったー」





気さくなお母さんで、あれこれと話をしたあと、子どもが宿題のことで相談してきた。

「ぜんぜんかけないんですけど」

「教室で、いっしょに練習したでしょ!!」



読書感想文のこと。

本は読んで、最初の印象も書き始めたらしいけど、その後が続かない。



「自分のことと、主人公のことと、あんまりつながりがないから、比較してもかけない」



という。



スーパーの入り口付近で、あれこれと指導できることでもないから、



「がんばれ!!」



としか言えず、そのままにして別れてしまった。







さて、子どもは宿題をがんばっているが、大人も宿題がある。

この時期はとくに、ふだん考えないようなことを考える。



明日の授業のことばかり考えている一年を過ごしているので、

たまには世間のこと、世界のこと、人間のことを考える。

そこまで思いを致さないと、徐々に自分が痩せていく気がする。

なにか、これまでの枠組みを離れて、すこしだけでも突き抜けたような思考をしたい。

重力に負けて、仕方がないよ、世の中こうだから。子どももこうだから、親もこうだから、と諦めたような教員人生は、悲しいですからねえ。





夕方、近所の山の頂上まで、ドライブをした。

田舎だから、こういうことができる。

あまり人気のないような地元の道路を走っていると、気分も変わる。

もうすぐ流星群も見られるらしいけど、ここは、星も数多く見える。



天の川も、見られるんだけど、ふだんはそれほど気にもしていないからネ。

家の近くを離れて、ほんの少しドライブすれば、こんなによい条件で星も見られる。



星はいい。

ふだんの地上のことから、アタマが離れられる。

何億年、ということとか、物質の構成要素、とか、

とんでもない世界、桁のちがう世界のことを、

ふと

思うことができる。



大人は、ときおり、こういうことをしなければならない。

目の前のことばかりでは、アタマに壁ができてしまう。

つきぬけていきたい。

思考の壁を、つきぬけていきたい。





こころにも、ほんの少し、隙間をつくって、

いい風を入れてみたい。



なにも思わず、ふっと力をゆるめて、



人間ってなんだ




と、考えてみたい。







それが、一番のぜいたくかもしれないなあ、と思う。





大人の宿題きれいだなあ2