[]【小6歴史】もしアメリカと戦争をしたどうなるだろうか?

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歴史の授業がつづく。



教科書にも資料集にも、資源獲得が目的で戦争をした、というふうに説明がある。

しかし、うちのクラスはそれで納得しない。



資源が不足していたら、不足しているなりにふさわしい生活をすればよい、というのである。



「え?でも、みんなガソリンつかった車で遠くに出かけたいでしょう?トラックだって走らなきゃいけないし。工場でも燃料がなきゃ」



と説明するが、要するにそれだからといって人を殺すリスクはとらない、という。





しかし、教科書や資料集のどこをどうひっくり返しても、小学校の歴史の学習レベルでは、



満州国建国も、日中戦争も太平洋戦争も、資源獲得のため」



というふうにしか、書かれていない。



子どもたちは、不満顔であります。









石炭欲しさに人を殺すのはリスクが高すぎる、というふうに説明する女子がいて、さかんに自説を論ずる。



「戦争で国がボロボロになるのは分かってる。それでも、なんで軍部が大陸に進出しようとしたのか?資源が欲しければ、普通に買えばいい」







男子が、おもしろいことを言った。



「勝ちすぎたからじゃない?」





これは面白かった。



つまり、日清・日露、と勝ってしまったので、国民全体で、「勝つ日本、強い日本」というイメージで、気持ちよくなってしまったのではないか、という。



「勝つのがいい、というふうになっていたから、気持ちが良くなって、次も勝てるんじゃないか、と思ったと思う」



なるほどー、という空気が流れた。







わたしは個人的に、



「平和になると、軍人が、職を失うことになるので、なかには戦争があった方がいいな、と思ったひともいたかもしれない」



と感想を言っておいたが、人殺しのリスクを説いていた女子がそれを聞いて、さかんに頷いていた。





ま、ともかく主に資源獲得を理由とした日中戦争がはじまり、時代はいよいよ太平洋戦争へなだれこむ。



さて、以下が本日の学習問題だ。



もし、アメリカと戦争をしたら、どうなるのだろうか。


わたしはいつも、学習問題を黒板にデカデカと書く。



ノートに意見を各自が書いてから、いつものように班で相談。

その後、教室全体での討論に持ち込んだ。





もし、戦争をしたら



〇勝てば主権を取り戻せる

〇勝てば中国に領土を広げて石炭が掘れる

〇勝てば領土が広がって、もう一度ロシアと戦うことになったかもしれない

〇勝てば資源が手に入りやすくなり、さらに強くなれる

〇勝てばアメリカに言うことを聞かせられる

〇でも負けると思う。資源の量が違うから

〇負けたら賠償額が高くてさらなる不景気になる



もし、戦争をしなかったら



〇資源が無いままなので、生活を変えないといけなくなる

〇植民地支配をせっかく始めたとところなのに、支配できなくなるかもしれない

〇日本がねらわれて、植民地にされてしまうということかもしれない

〇平和だけど、生活は貧しくなるかもしれない


戦争をした場合としなかった場合で、あれこれと出し合った。





教科書には、やはり、「資源の無い国」という書き方が一貫していて、日本人は「資源が無いから、他を侵略する傾向にある」というように、言外に子どもたちに教えているような気がした。



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