[]夢も希望も要りません・・・

休みがつづいて暇があったためか、



いつもは気にしないテレビを、ながながと見た。



Eテレピタゴラスイッチ、そのほか、ほんの少し、見るべき番組があったが、あとはなにも感じないので、そのうちにやめた。



久しぶりにテレビを見たわい、とつぶやいたら、嫁様は



「見たうちにはいらんよ、それだけじゃ」



と、気の毒な顔をする。





「テレビの本当の面白さを、あなたはちっとも感じられていないようだ」



という、まるでどこかの医者のような見立てのセリフ。



思わず居住まいを正して、



「は、そうでしょうか」



と問うと、



「ゲックのドラマも、最低3回は見ないと、じわじわと面白さが伝わってこないときもある。たった10分やそこらで、決めつけては」



手に持っていた孫の手で、ひざを一度、ぽん、と叩いて、



「それじゃ、あーた、・・・いけませんなぁ」



と言って澄ましている。